Writing
このページでは、ぴっけどんが執筆したものを公開しています。
M●THER2 for 3
第1章 ぼくの失態◆ネス。・・・平和になったからって、お寝坊さんね!
◆早く起きて!一緒にお祈りして、朝ご飯を食べるわよ。
「・・・はぁい。」
「そう言えば、お祈りなんて何時振りだろう・・・。今日の今日まで忘れてたよ。」
◆◆___神の御名において。/・・・。
「・・・。」
---------------------------------------------------------------------------------------------------
◇・・・。
「・・・?!」
◇何故見限った。
「えっ?」
◇何故見限った何故見限った何故見限った何故見限った。
◇ 何 故 見 限 っ た ?
「・・・!!」
---------------------------------------------------------------------------------------------------
「・・・あっ・・・!あああっ・・・!あああああああっ・・・!!」
◆◆・・・ネス?/お兄ちゃん?
「ぼくは・・・、ぼくは!何てことをっ!!」
第2章 隣人のために
みんなの心の力でギーグを消し去ってから、早一週間。
ぼくは、世界平和祝賀会のイーグルランド代表の一人として、フォーサイドの第一会場に呼ばれることになった。
ツーソンに帰ったポーラと、フォギーランドに帰ったジェフも、それぞれ呼ばれているようだ。
プーはチョンモの国内行事の合間を結って祝賀会に出席するらしい。
ぼくらは夏休みの期間を慌しく冒険して過ごし、この世界の平和を取り戻した。
どこに顔を出しても、長閑な暮らしを垣間見ることが出来る。
サマーズに限っては、初めて来た時も含めて、ずっと長閑だった気がするけど・・・。
本当に・・・、平和になったんだ。
ぼくは利き手を、ジーンズの利き手側のポケットの中に突っ込む。
冒険の最中、ぼくはそこに音の石をしまっていたんだ。
今は、その代わりというわけではないけれど、
ポーキーからの手紙を小さく畳んでしまってある。
ぼくは、その手紙を取り出して広げ、そこに書いてある文字を読んだ。
◇ここまでおいで!おしりペンペーン
・・・。ぼくは、この一週間、この手紙を書いたであろう主を隈なく探していた。
ぼくは、イーグルランドに住む人なら誰もが知っている神の教えに、現在に至るまで背を向けていたんだ。
◇隣人も、家族と同様に愛すること。
気が付かなかった。あの時、ポーキーを冒険に誘っていれば・・・!!
ジェフかプーのどちらかには会えなくなったかも知れないけど、この事態を防ぐことは出来た。
ぼくは、この世界を確かに救いはしたけれど、代わりに神の教えに背いてしまった・・・。
誰も何も言わない。それを知らないからだ。
ポーキーは、何だかんだでぼくを愛していたんだ。
あの隕石が落ちてきた時だって、それを見に行こうと誘ってくれた。
ぼくは・・・、彼を、冒険の旅に誘い返すべきだったんだ!
いや、彼がいると色々と面倒が増えそうではある。
ポーキーを冒険に誘わなかった一番の理由が、それだった。
彼は、ぼくにだけは強く当たるけど、非常に臆病な性格をしている。
実際、ギーグとの戦いでも、彼は一見安全かつ強そうな重装備で向かってきた。
生身で戦ったのでは、彼には勝ち目が無かったのだとしても・・・。
やはり、彼はそう言う人間だったように思えてしまう。
でも、それを煩わしく思って彼を避けてしまった結果が、これなんだ。
もう、取り返しがつかないのかな・・・。
◆(まだ、間に合うよ。)
不意に、頭の中に聞き覚えの無い声が聞こえてくるのを感じた。
「ポーラじゃない・・・、プーでもない?!誰っ?!!」
とても巨大な影が、ぼくを隠す。
空を見上げると、小さな島一つ分はありそうな、真っ黒な何かが・・・、ぼくの頭上高くを飛んでいた。
日食かと思った。
◆(ぼくは、闇のドラゴン。遥か未来から、ここにやってきた。)
◆僕もいるけどね。
聞き覚えのない少年の声が聞こえた。
刹那、闇のドラゴンと思われる巨体の方から、正六角形に光る模様が、ぼくに向かって幾つも降り注ぐ。
「痛っ・・・?!」
◆へぇ。この世界の救世主様だって話だけど、あの映画館で見た通り、本当に子供のサイキッカーだったんだね。
今度は背後から、少年の声がする。
振り向くと、その後ろには、ぼくと似通った服を着た、歳の近そうな金髪オールバックの男の子がこちらを見ていた。
「さっきのPKは、きみかい・・・?」
◆そうだよ。僕はリュカ。きみたち以外にサイキッカーがいても、別に不思議に思わないよね?
◆・・・きみの名前はもう知ってるよ。冒険映画のタイトルになってたから。「サイキッカー・ネス」ってね。
◆あの「子供がそのまま老けたような要介護のお爺さん」に、贔屓にされたのかい?
それって、まさか・・・?!
「ポーキーのこと、知ってるの?!ねぇ、どこにいるのっ?!!」
◆それに応える理由は無い!!!
彼はその怒号と共に大きく光る幾何学模様を放ち、先ほどのPKよりも素早く、ぼくに目掛けて飛ばしてきた。
ぼくはそれを避けることが出来なかった。ぼくは彼を、とても鋭いPKの使い手だと認識した。
油断は出来ない。
◆(あぁ、だめだよリュカ。彼は悪人じゃない。大人しく話し合うって言ったから、きみも一緒に連れてきたのに。)
◆きみの言うことは、都合が良過ぎるんだ!あいつも救おうだなんて!!
◆僕は納得なんてしてないんだ。だから戦う!!
◆(___って、分かっているのに?)
◆うるさいっ!!!
彼はそう叫ぶと、先ほどよりも大きく輝く幾何学模様を闇のドラゴンに向かって放った。
それは闇のドラゴンに当たるも、全く効いていないようだった。
彼は、PKの矛先を再度ぼくに変えて攻撃してきた。
ぼくも仕方なく応戦する。
◆あいつは、転がしたままにしておけばいいんだ・・・。僕の家族を、遠回しに殺したようなものなんだから。
「何だって・・・?!ポーキーが人殺し?そこまでするやつじゃないよ!!」
◆僕は被害者だ!!殺された家族と、また会えたからって・・・!だからって許す気は無い!!!
「どうして、ポーキーじゃなくて、ぼくを攻撃するの?」
◆あいつがっ!「ネスを通して彼を救ってあげたい」なんて言ったからだよ!ずっと寝てたくせに!!
◆(ぼくには見えたんだ。彼の哀しみが。ずっと転がしておくのは可哀想だよ。)
◆(・・・きみだって、愛する人を失う悲しみを知っているじゃないか。彼は愛されたことさえなかったんだよ。)
リュカが、攻撃を止める。
◆・・・知らないよ、そんなこと。
◆(リュカ、話を聞いてくれたね。ありがとう。)
◆(そう言うわけで、ぼくはきみの味方だよ、ネス。よく恐がらなかったね。)
「ぼくも、ドラゴンになったことがあるから・・・。本物を見たくらいじゃあ驚かないよ。」
「・・・いや、さすがに大き過ぎるとは思ったけどね。」
◆(正直だね。いい子だ。)
「子供みたいな声のきみに言われると、ちょっとムッとしちゃうな。」
◆(声、気になるなら変えようか?)
「別にそれでいいよ。」
・・・遠くから何やら物音がする。
その方向を振り向くと、空や海から光がチラついているのが見えた。
◆(人に見付かっちゃうや。ネス、ちょっとの間だけ帰ってこれないけど、付いてきてくれるかい?)
「もちろん!」
◆(じゃあ、尻尾でも脚でも、どこでもいいから捕まって。・・・あ、捕まるには体が大き過ぎるかな。調整するね。)
闇のドラゴンはそう言うと、その身を少し輝かせた後、ぼくが彼の尻尾に捕まるのに丁度いい大きさになった。
◆(・・・リュカ、置いてくよ。早く背中に乗って。)
◆・・・ふん。
◆(普段は誰にでも優しい子のはずなんだけどね。ごめんね、ネス。)
「そう言うこともあるよね。」
◆分かった風な口を訊くな!このっ!!
「わわっ?!」
◆(リュカ、止めて!!話を聞いてくれたんじゃなかったの・・・?困るよ。)
◆ふんっ!
(どうやら、リュカも敵ではなさそう・・・かな?)
◇闇のドラゴンは、テレポートγを試みた!
◇少し遠く離れたところに、空間の穴が開いている・・・。
「・・・あっ!祝賀会、断らなきゃ!!」
◆(それに関しては気にしなくていいよ。ちゃんと帰すから。)
第3章 見知らぬ島のユートピア
ぼくと闇のドラゴン、そしてリュカの二人と一匹は、小さな島に辿り着いた。
「ここに、ポーキーがいるの・・・?」
◆(そう。この島には、「ノーウェア島」って言う名前が付いているんだ。)
「・・・えっ?!それって、おかしくない?『どこにもない島』だなんて、そんなの・・・。」
◆(それについては、ポーキーとは関係ない話になるけど・・・、それでも訊きたい?)
「せっかくだから、訊きたいな。」
◆(ええとね___)
◆(___とまぁそんな理由で、この島にその名前が付いたんだ。)
「長かった・・・。」
◆(ごめん。本文では省略したから勘弁してね。)
「えっ?」
◆(ネスは気にしなくていいよ。さぁ、ポーキーのいるところに連れていくよ。)
◆(___ここだよ。)
「すごく悲惨なことがあった跡みたいになってるけど・・・?大地震とか。」
「・・・それに、殆どハリボテの町じゃないか。」
◆(町じゃない!確かにそうにしか見えない規模だけど、ここは大都会なんだよ!!)
「ぇえっ・・・?」
◆(そう言う事にしてあげて!彼のために・・・!!)
「・・・あっ。そう言うこと?」
◆(そう。)
「分かったよ。」
◆(物分かりがよくて助かるよ。とまぁ、彼はそう言った・・・、マッド?なことを大々的に指揮してたんだよね。)
「へぇ!ポーキーって、もの作りが趣味だったんだ?意外だなぁ・・・。」
◆(いや、そんな可愛いレベルじゃなかったんだけどね。きみには伏せておこうか。)
◆未だに腹が立つ・・・。
◆(ぁあ!リュカ、抑えて抑えてっ!!)
◆PK!
リュカがPKを大きく放った後、どーん!と、大きな音がした。
◆(だめだよ!他に人が来ちゃってるかも知れないのに!!もうっ!!!)
◆(・・・ああされずに生き残った動物だって、もしかしたら、居るかも知れないじゃないか。)
「・・・?!」
◆(・・・ぁ。口が滑っちゃった。)
◆口から喋らないくせに。
◆ガー!(筆者の表現上の都合なんだよ!こうでもしないと分かりにくいでしょ!!)
◆ハイハイ。
◆(・・・ぐいっと飛ばすよー!)
「お願い!」
ぼくたちは、とてもとても高いビルが建っていたと思われる残骸の地下深くへと進んでいった。
◆(___この辺だったかな?)
「・・・どうしてテレポートで直接ここまで来ようと思わなかったの?」
◆(さっくり来ちゃったら、きみのわくわくを奪うと思って。)
「ぼく、そこまで子供じゃないよ。もうミドルスクールに通ってるんだから。」
◆(・・・おや?リュカはどこに___)
◆ふぅ・・・。
◆(ふふ、プレゼントボックス温泉だね。その狭さが心地いいのかい?)
◆分からないけど、時々無性に入りたくなっちゃうんだ。だから、あの後もこっそりよく来てた。
◆(変☆態!!)
◆よくも言ってくれたな!!
◆(リュカがぼくにPKを当ててきた仕返しだよーん!)
◆平気だったくせにっ!
◆(おや、気付いてたのかい?)
◆・・・不毛だから、止めよう。
◆(ネスとの小競り合いも止めようね。)
◆うるさい。
「仲がいいんだね。」
◆◆(うん!)/そんなことない!!
◆(・・・否定することないのに。)
「ぼくも、ポーキーと、それくらい仲良く出来たらよかったんだろうなぁ・・・。」
◆(ぁ、そう言う方向に持っていくんだ。)
「いや、だって。ポーキーを探すの、手伝ってくれるんでしょ?」
◆(そう言えばそうだった。)
「・・・きみ、大丈夫?」
◆(体には自信があるんだ!!)
「頭の方だよ。」
◆(うわぁん!救世主にイジられたよぅ!最初はIQすんごく低かったから重みがある!!)
◆よしよし。
◆(リュカ・・・!やっぱりきみは・・・っ!!)
リュカが闇のドラゴンを思いっきり蹴る。
◆(痛い・・・。)
「本当に仲いいね。」
◆◆(うん!)/どうしてそう見える?!
「ぼくにも男の兄弟がいたら、そうやってケンカをしたのかな。」
◆(えっ?!そこでbotの創作セリフ引っ張り出すの?)
「・・・何だって?」
◆(ぁ、いやっ!ごめんなさい!!何でもないですっ!!)
◆(とまぁそんな話をしている内に着きました!ここにいます!!)
「うわぁ・・・、あのカプセルの中なのかい?ポーキーは。」
◆(はい。)
「やっぱり、こうなってしまっていたね・・・。あの手紙がぼくの元に届いたとき、そんな予感はしていたんだ。」
◆(ぇえっ?!エスパーってすごい!)
「・・・もう黙っていいよ。お役御免だからね。きみたちの漫才・・・、たぶん楽しかった。」
◆(じわぁっ・・・!)
◆どこに泣きどころがあったのか。あぁ、刺さった言葉がキツ過ぎたのかな。
◆(今作のきみの所業には及ばないよ。)
◆あっそう。
◆(・・・ここから先は、彼一人に任せようか。ぼくも・・・、正直言って、喋り過ぎたと思うし・・・。)
◆気が付いてたんだ・・・。そもそも登場すらしないキャラだもんね。エラいエラい。
◆(リュカぁ・・・!!)
◆・・・。
◆(二度目のキック頂きました・・・。もう泣いていい?)
◆エンディングまで、泣くんじゃない。
◆ガー!(それ1だから!)
◆あぁ、でも待った!ネス!!僕はまだ、きみを許してはいない。
◆(また戦う気なの?!めんどくさいな!!)
◆・・・きみの体に16HITSしてあげても、いいんだけど?
◆(勘弁して!そんな印象で終わりたくない!!)
◆もう遅いよ・・・。まぁ、簡単な勝負だから、気を楽にして。
◆___僕と、ジャンケスで勝負だっ!それも5回勝負を続けて決着を付けるよ!!
◆(・・・はしょって、いい?)
◆だめ。
◆(ルールと勝負の何回かだけでも、はしょらせて。)
◆おk。
◆(いいんだ・・・。)
◆一回戦、僕はチェキを出す。もし勝負に勝ちたいなら、迷わずギーを出せばいいさ。
◆(おっと、頭脳戦?)
◆それじゃあいくぞっ!ジャーンケース、ポン!
「ギー!」
◇リュカは、PKを試みた!
「ぅわあああっ?!・・・あっ、ペーの形にしちゃった。」
◆やった!!
◆(卑怯者・・・!!)
◆あと4回!ジャーンケース、ポン!
◇ネスは、PKを試みた!
◆ウワァアオッ!?・・・ぁ。
「ぼくの勝ちっ!」
◆ガー!(お願いだから、正々堂々と勝負して!!)
そして後の3回勝負を見事に制したのは___
「やったあぁ!!」/◆負けた・・・。
ぼくだった。
あぁ、よかった・・・!これで負けていたら、話が消化不良に終わるところだったよ。
◆(・・・ぁ、今度こそ黙るから。ぼくの話に付き合ってくれてありがとう!その広い心を、ぼくは決して忘れないよ!!)
「うん、静かにしててね。」
◆・・・ネス。
◆悔しいけど、きみの強さを認めて、僕は・・・、きみを許すことにしたよ。
「もう勝負ついてるから。」
◆ネスさんまさかのブ■ンティストだった!?二次創作って本当に恐ろしい・・・。
「・・・じゃあ、行ってくるね。」
リュカと闇のドラゴンが、ぼくの方に手を振って見送ってくれた。
「来たよ、ポーキー。ちょっと時間が掛かっちゃったけど・・・。待った?」
◆・・・その声は、まさか・・・、まさかネスか?!・・・おいっ!!
カプセルのウィンドウ越しに、ポーキーの声が聞こえた。
ぼくの声も届いたようだった。
「そうだよ、ぼくだよ。少し見ない間に、ずいぶんと老け込んだんだね。」
◆ふん。こっちからしたら、あっという間だったぜ。
「ぼくもだよ。さっき、時代を超えて、ここまで来たんだ。」
◆同じことをしたってのに、おれなんてこのザマさ___
「お前はいいよな・・・。って、返すつもり?」
◆・・・何で、分かったんだよ。
「心の国の中で、知ったんだ。きみが、ぼくのことを実際そう思っていたってことを。」
「ポーキー。ぼくもね、うらやましかったんだ。男の兄弟が、ほしかったから。」
◆・・・お前、こんなおれなんかが自分の兄弟になって、いいのかよ。
「・・・うん、今はね。」
◆・・・ピッキーも、兄弟に入れてやってくれ。
「もちろんだよ!きみも、立派なお兄ちゃんだね。」
◆当たり前だろ!・・・ふん。
「きみをここから出してあげたい。」
少し遠く離れたところから、何かと何かがぶつかるような・・・、そんな音がした。
◆あぁ、おれも出たいよ。でも、このカプセルからは出られないし、出られたとしても、この身体じゃあ・・・。
「その身体のことなら、どうにかなるよ。ぼくのPSIで何が出来るか、知ってるよね。」
◆・・・そうか、そうだったな。お前はこの世界で最高の癒し系サイキッカーだ!なるほど。
◆(カプセルのことなら、ぼくが何とかしてあげるよ。)
闇のドラゴンが、声?を上げた。
◆お前か・・・。
◆お前が本当に、こいつを連れてくるとは思わなかった。ありがとな・・・。
「・・・えっ?!ポーキーが、頼んだの?」
◆・・・。
◆(彼を一目見たとき、彼のことが全部見えちゃって、放っておけなくてね。実際のところ子供だったわけだし。)
◆(彼・・・、相当きみのことが好きだったみたいだよ・・・。いや、そう言う意味じゃなく。)
「よく男の子に告白されるから、慣れてるよ。他にも似たような経験をしている友達を知っているし。」
◆(ネス・・・。きみ、すごいね。彼と・・・、そう言う意味でも付き合えちゃうの?)
「ぁ、いやっ、それは・・・、うーん。」
◆(フられたね。ポーキー。)
◆そう言う意味で好きになったことねぇよ!!・・・。
◆(・・・。)
「・・・、あれっ?そう言えばリュカは?」
◆(あぁ、リュカなら家族の元に帰したよ。心配しないで。)
◆(・・・リュカは、ぼくと対等の存在だから、とにかく正式に彼の了承を取れてよかった。ぼくだけじゃだめだった。)
◆(ポーキーを救いたいと思ったのは、彼を見通してしまったぼくの願いでもあったんだ。ありがとう!)
「とんでもない!こちらこそっ!!」
◆(じゃあ・・・、このカプセルの存在は、無かったことにするよ。)
◇カラン。
◆・・・もう二度と出られないと思っていたのに。
◆(ぼくに不可能は無い。あの博士の発明なんて、ちょちょいのちょいだよ。)
「ぁ、あれ・・・、アンドーナッツ博士が作ってたんだ。」
◆(ご名答!)
「じゃあ、ぼくがあれを壊すのは無理だったかも知れないなぁ。抜け目なさそうだし。」
◆(博士も博士なりに、ポーキーと戦っていたんだよ。もう元の時代に帰してあるから、これも心配しないで。)
「きみも抜け目が無いね。」
◆(この島の守り神のようなものだからね!)
「・・・と言うことは、リュカも実は相当エラかったのかい?」
◆(そう言うこと。彼には秘密にしてあるから気付いてないけどね。)
◆(・・・あぁ、ごめんごめん。感動の再会を邪魔しちゃったね。ささっ、どうぞ。)
◆・・・あぁ、ネス!!
「ポーキー!きみの身体を元に戻すよ。」
◇ネスは、ヒーリングγを試みた!
◇しかし、ポーキーには効果がなかった!
「あ、あれっ?今にも死にそうだから、こっちだと思ったのに。」
◆(・・・。)
◆・・・おい。
◇ネスは、ライフアップΩを試みた!
◇効果は抜群だ!ポーキーの身体が元いた時代に合わせて若返った!!
◆・・・マジかよ!お前すごいな。
「トンチキさんにも、こうしてあげるべきだった。代わりに、きみのことはもう見捨てない。」
◆・・・!!
「・・・でも、ここできみがしたことについては、どうすればいいんだろうね・・・。」
◆(リュカが許してくれたから、それがこの島の生き物の総意だと思っていいよ。みんな復活させてあげられたし。)
「それでいいの?」
◆(きみたち二人の友情に免じて・・・、特別に、そう言うことにしておいてあげるよ。よかったね。)
◆・・・悪かった。
◆(ポーキー、もう八つ当たりしちゃあだめだよ。)
◆(あぁ、そうそう。きみが今まで使ってきたタイムトンネルと知恵のリンゴ・・・、両方とも消しておいたからね。)
◆(・・・さて、後はきみたち二人を元の時代に帰せばいいんだけど・・・。ポーキー、これからどうしたい?)
◆おれ?
◆(うん。)
◆・・・どうすればいいんだ?
◆(ぼくのおすすめは、ネスの冒険が始まる頃に戻って、彼と一緒に旅をすることなんだけど・・・。)
◆(きみの家庭環境が改善するかは保障出来ない。きみは別の父親と一緒に過ごした方がいいのかも知れないし。)
◆別の父親?
◆(勝手ながら、ネスのことを見通して分かったんだけど、きみの母親、離婚して再婚する一歩手前まで来ているよ。)
◆・・・さすがにそれは、とーちゃんが可哀想だ。
◆(あれほどの目に遭って、それでもそう言えるのかい?きみの捻くれた性格形成の一番の原因なのに。)
◆もういいよ、そのことは。
◆(そう・・・。じゃあ、きみが悪に奔走する少し前まで案内するね。タイムパラドックスは起こらないから、安心して。)
◆(・・・あぁ、ちゃんと冒険に付いていけるように動くんだよ。いいね?)
◇闇のドラゴンは、テレポートγを試みた!
◇少し遠く離れたところに、空間の穴が開いている・・・。
◆(さぁ!あそこに開いた穴の向こう側まで、全力で走るんだ!!厳しくも明るい未来が、その先で待っているよ!!)
◆・・・じゃあな。また会おうぜ!ネス!!
「ぼくも行くよ!」
◆(今のきみが一緒に行かなくても大丈夫だよ!それに、強くてニューゲームじゃあ意味がない。)
「じゃあ・・・、またね!ポーキー!!」
◆(うん、それでいい。)
ポーキーが、空間の穴に向かって走っていく・・・。
◆(ネス。きみは、こっちの時代に来る直前の時間軸に戻すよ。うまくいけば、またポーキーと会えるはずさ!)
「うん・・・!本当に短い間だったけど、ありがとう。闇のドラゴン。」
◆ガー!(照れくさいよ。さっきも言ったけど、これはぼくの願いでもあったんだから。)
「リュカにも、よろしくね。」
◆(うん。)
◇闇のドラゴンは、テレポートγを試みた!
◇少し遠く離れたところに、空間の穴が開いている・・・。
◆(じゃあね、ネス。お元気で!)
「さよなら!」
---------------------------------------------------------------------------------------------------
◇闇のドラゴンの、程好く小さくなる効果が切れそうだ。
◆(ふぅ・・・!何とか間に合った。)
◆(自分のことに限って、巧く力が使えないんだよなぁ。これさえ何とかなれば、封印だってされずに済んだのに。)
◆いいえ!小さくなればなるだけ、あなたの力が弱まるから、元の大きさで封印するしかなかったわ。
◆・・・でも、島の平和が約束された今となれば、話は別よね?そうでしょ??
◆(・・・?!マジプシーのみんな!!?)
◆と言うわけで、私たちマジプシーの力を以て、あなたの体と力を、必要な分だけ制御させて貰うわ。いいわね?
◆(あの針、すごく痛いんだよ。それも7針・・・。ちゃんと刺すところ考えてね?)
◆我慢するの!あなたドラゴンでしょ?恥ずかしくないの??
◆ガー!(痛いものは痛いんだよ!)
◆でも、こうでもしないと、あなた住むところ一つもないわよ?それとも・・・、ずっと飛んでるつもり?
◆(・・・分かったよ。じゃあ、さっさとお願い。)
◆オッ、ケーーーイ!!そうと決まれば、みんな、いくわよ?・・・。そーーーれっ!!!
---------------------------------------------------------------------------------------------------
ぼくは、少し前まで独りでポーキーを探しに来ていたところにいた。
「・・・戻ってこれた、のかな?」
ぼくは辺りを見回す。誰もいない。
メディアに見付かったかと思っていたけど、どうやら、うまくかわせたようだ。
と考えていた矢先___
◆やぁ、戻ってきたね。おかえり。
ぼくと同じ声が聞こえた。
後ろを振り向くと、そこには確かに、もう一人ぼくがいた。
「まさか、ぼくのあくま・・・?」
◆違うよ。ポーキーと冒険をしてきた、本物のぼくさ。
「えっ?!本物だって?じゃあ、ぼくは?」
◆きみも本物のぼくだよ・・・。大丈夫、きみの敵じゃない。
◆・・・ぼくはね、きみの記憶と、ぼくの記憶を、統合しに来たんだ。
「統合・・・?」
◆ほら、きみ。ポーキーと一緒に冒険した記憶がないでしょ?
◆・・・それじゃあ、彼に会った時、きみ、困らない?
「・・・あ。」
◆いや、ぼくもね、もう一人ぼくがいるなんて今日まで知らなかったんだけどさ。
「・・・ポーキー、大丈夫だった?」
◆彼との冒険のことなら、最初は大変だったよ。でも、段々頼もしくなって、後悔することはなかった。
「迷惑を掛けたね。」
◆いや、これでよかったんだよ。ぼくも、そう思う。
「ありがとう。」
◆お礼は他のみんなに言うべきだね。
「・・・そうだね。」
◆・・・じゃあ、そろそろ統合しようか。ぼくの利き手を握って。
「うん。」
もう一人のぼくの利き手を握る。
もう一人のぼくが、段々と透明になっていく・・・。
握った手の感覚も、段々と感じなくなる。
「・・・きみ、消えちゃうの?」
◆きみと統合して、一つになるんだ。身体もそうだよ。消えるわけじゃない。ずっと一緒さ!
「恐くない?」
◆ちょっとだけ恐いよ。でも・・・、きみの心の苦しみと比べたら、全然辛くない。
「そう・・・。じゃあ、おやすみ。お疲れさま。」
◆きみこそ、これからの人生・・・、頑張ってね。ポーキーも待ってるよ。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
◇世界平和祝賀会 第一会場 関係者エリア
・・・本当に、ここでポーキーと会えるのかな・・・?
◇世界平和祝賀会 ゲスト控え室 アップルキッド様 どせい様 アンドーナッツ様
◇世界平和祝賀会 ゲスト控え室 ネス様 ポーキー様 ポーラ様 ジェフ様 プー様
・・・?!ポーキーの文字がある!!
ぼくの記憶は確かに統合されたけど、まさか本当にポーキーと一緒に冒険したことになっているとは。
ポーラ、ジェフ、プー。ぼくのワガママに付き合わせてしまったね。ごめんね。ありがとう。
・・・本当に、ポーキーも居るんだよね?何て言って入ればいいんだろう・・・。
__思い付かない。取り敢えず、この目の前にあるドアを開けてしまおう。そうしよう。
どきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきどきど・・・・・・
・・・よし!開けるぞっ!!
◇ガチャッ・・・。
◆◆◆◆遅いぞ!ネス!/待ってたわ!ネス!/きみってやつは、今まで一体どこにいたんだ!ネス!/間に合ったな!ネス!
M●THER2 for 3
END
◇あとがき
◇「サイキッカー・ネス」と言う冒険映画について
◆これは世界平和祝賀会の主催者である天才写真家(大富豪)が監督兼プロデューサーとなり、
ポーキーの存在をネスの意向により隠した上で制作された世界平和記念映画「EarthBound」を、
ポーキーがM●THER3の時代に持ち込んだ際、彼の独断により題名を変更したものです。
主題歌はもちろん「SMILES and TEARS」。この映画がきっかけで音の石のメロディが歌になったとか。
ポーキーがネス達の仲間になった本スピンオフの後は、味方としてポーキーの存在を映画の内容に追加。
ぶっちゃけクロスオーバーを書いた後で思い付いた補完設定です。
◆ネス曰く、「実際と比べると誇張のある表現が幾つもあって、正直恥ずかしかったよ。」とのこと。
◆マジカントのシーンに関しては、規制の緩い国で観た場合は服を着ていない素っ裸のネスが見られるようです。
ネスは「CGで上手に隠して貰ったけど、全裸で撮影は辛かったな。恥ずかしいところ見られた。」とコメント。
これに際してジェフは「なかなかいい形してるんだから、気にするなよ!」と気遣ってフォローを入れたとか。
これを言われた後のネスは、機嫌がよくなったのか、堂々と撮影に臨んだようです。ネスサン、いい男だなぁ。
ネスに前貼りが使われなかったことに関しては、撮影スタッフの好奇心による陰謀が渦巻いていたようである。